岡山市柳町に移転オープンした老舗割烹料理店です。
開業30年の節目となる今回、岡山市丸の内(後楽園近く)から、駅前近くの露天テナントへの移転となった。今回、割烹店としての敷居の高さは残しつつ、おひとり様でも、初めてでも気軽にのれんをくぐり、来店して頂けるお店創りをテーマとしている。ファザードは、完全クローズだった既存店から、格子を通して透けるようにカウンター席を見せ、談笑しながら食事をする姿をほどよく外部へと見せている。客席は、広い店舗面積に対して28席と、一人辺りの占有スペースが非常に広い空間であり、飾り棚、坪庭、水盤などの四季の空間が各所に配置されている。この空間は、オーナーの手により、四季の変化と共にその姿を変え、常連客の目も飽きさせない癒しの空間である。今回、新たに設けられたオープン席は、間仕切り戸によってさまざまな使い方が可能であり、パントリー越しにオーナーの調理姿を眺める事ができる、ライブ感のある席でもある。個室席は、既存店からの使い方を変える事はなく、4名×3室、最大15名までを一室でもてなす事ができる部屋となっている。素材本来の味と日本料理の伝統を基礎、とし創りだされる料理の姿は、店内の木工造作にも反映され、それぞれの材種がもつ無垢の特性を生かした加工や、その使い場所を選び、店内を落ち着きのある上品な空間へと導いている。割烹たにだの日々変化してゆく日本料理、建築空間も長い年月の経年変化の中で風合い出し、いつまでもこの場所に佇んでいてくれる事を願っている。
工事種別 | 移転内装工事 |
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所在地 | 岡山県岡山市内 |
主要用途 | 飲食店(割烹料理店) |
構造 | テナントビル1F |
規模 | 延床面積:160.84㎡(48.65坪) |
竣工日 | 2014.12 |
撮影 | 野村和慎 |